僕が入社したのは、これから半導体の時代が来るぞ、という1980年代。大学で電子工学を学んだけど、ずっと机にかじりついているのは性に合わん。商売に興味があり、技術営業をやろうと立花エレテックに入った。80年代、日本の半導体産業は世界を席巻しており、製造はアジアが中心だった。そんなわけで、僕も入社半年で海外本部へ。翌年には、たった一人でシンガポールに赴任することに。海外志向もないし英語もわからん。でも、おもしろそうやし、挑戦してやろうと海を渡った。(今は会社もそんな無茶はしないけどね)
そこから都合27年の海外暮らし。シンガポールを皮切りに、香港、マレーシア、台湾、タイ、中国も6つの地域に進出して企業を開拓してきた。どこの国でも商売で成功するには、会社を超えて、いかに「人対人」の信頼関係を築くかに尽きる。信頼関係ができれば仕事も任せてくれる。情報も入る。だからおもしろい。もちろん一朝一夕にはできないが、相手の質問に誠意をもって答えるとか、約束の期日を守るとか、基本的なことの積み重ねが信頼につながる。君らだって、約束守らずに言い訳するやつを信頼できるか?それと同じやと思うよ。